「1on1」と「個人面談」は違う!横文字のワケ

こんにちは!

Step CoordinatorのGenです。

上司と部下のコミュニケーションが活発でなかったり、部下のモチベーションが低い、あるいは職場に馴染めないなど社内コミュニケーションの面で多くの課題があったりするそうで。

そこで多くの企業では、部下の状況把握や育成促進などを目的とした「1on1(ミーティング)」という制度の導入が進められていて、トレンド化してきています。

今回は、この「1on1」というトピックを切り口に書いていきたいと思います!

1on1ミーティングとは?

簡単に言えば、上司と部下が1対1で定期的に行うミーティングです。

「1on1」は以下のような効果が期待されています

・上司と部下の信頼関係の構築の機会を作りだす

・話していく中で、「やりたいこと」や「今の課題」など、自ら気づきを得られることから部下の育成促進

・上司が現場の状況を把握することができる

一方で、今まで1on1をしていなかった企業に導入をする際、なかなか普及しなかったり、必要性を感じてもらえないという課題もあります。。。

なぜか?

3つ理由があげられます

①「1on1って個人面談でしょ?」と考えられてしまうという点

これが難しい。厳密には違うんですよ。。これには、実際に目に見える次元ではない形而上的な課題が潜在していると考えています。これは後で話します。

②何を話したらいいかよくわからないという点

上司が何を話したらよいかあたふたしてしまうと部下まであたふた。

ぎこちない時間(15~30分)となってしまい「苦痛」になってしまうのです。そうなると継続するモチベーションはぐんと落ちてしまいます。

③上司が部下全員分の1on1を回すのが大変

1on1は、1か月~1週間に1回実施されます。チームが小さく分かれていれば問題ないですが、もしチームが大きければ、上司一人がチームの部下全員の1on1をやりきるとなるとかなりの労力になってしまいます(*チームが20人とかで一人当たり月一回行うとしたら、一日一人以上実施しないと終わらないですよね。予定が合わなければ調整もしないといけないし、結局月末にまとめてやることになったり。。)もし上司が1on1のことがよくわからなくて、あまり乗り気じゃないとしたら続ける理由なんてないですよね。実施を組織的に強制するか、1on1を自主的に行えるようなモチベーションが高い人がいないと継続することが難しいというのが現状のようです。

これらの課題を解決していくためには、チームを小さくする、1on1の定義づけ、話す内容のガイドラインの設定など、1on1を実施するための環境設定が必要だと思っています。

さて、1on1とその課題について少しお話してきましたが

今回お話ししたいことがもう一つあります。

それは、先ほど述べた「形而上的課題」です。

形而上的課題?

「形而上」とは形のないもの、精神的なものと説明されますが、もう少し砕くと実際の目の前に現れる現象や物質ではないものです。

ここでいうと「思考レベル」についての話ということです。

つまり「思考レベルでの課題」があるということです。

先ほど「1on1って個人面談じゃないの?」という問題を話しましたね。ここ結構重要。

1on1のほかにも当てはまります、それはINNOOVのコンセプトのキーワードでもある「アジャイル

アジャイルの考え方に「スクラム」という手法があります。

その中に「バックログ」「スタンドアップミーティング」「レトロスペクティブ」というキーワードがあるのですが、

・バックログ→ やることリスト

・スタンドアップミーティング→ 朝礼

・レトロスペクティブ→ 反省会

といったように日本語化して考える人も少なくないはずです。いちいち横文字で言わなくていいじゃん、みたいな。

これは違うと思うんですよね。

実際には、

・バックログ→ 日本にあるもので例えれば「やることリスト」

・スタンドアップミーティング→ 日本であるもので例えれば「朝礼」

・レトロスペクティブ→ 日本にあるもので例えれば「反省会」

なのであってイコールではない!!!と思っています。

これは「カウンターパート」と捉えることができます。

カウンターパート(Counterpart)とは、

(形・機能などが)よく似た者[もの]、相対物、対照物(Weblio辞書参照)のことです。

例えば、

日本での「総理大臣」は、アメリカでいう「大統領」ですよね。←これがカウンターパートです

ですがこれらは相当するもの(国のリーダー)であって、イコールではありません。組織制度や権限も違いますよね。

余談ですが、翻訳においてもニュアンスやイメージが直訳だと変わってしまう場合、あえてカタカナとかその言葉の母語のままにすることがあります。

とある小説で「cafeteria」を訳す際、「食堂」だとちょっと情景が変わるから「カフェテリア」と訳出されたり。

表現を変えることもあります。太宰治の作品である「斜陽」の中で出てくる「白足袋」をwhite socks(白い靴下)とせずにwhite gloves と訳したことがあったりとかありました。

異文化を言葉で表現する(「文化の翻訳」ということもあります)ことは難しいんですよね。翻訳すればいいというわけにはいかないこともあり、たった一言でも翻訳者は頭を抱えることがあるんです。

言葉には「イメージ」「ニュアンス」「連想」「文化」など様々なコンテクストが絡まっています。

「朝礼」と聞くと、どんな事をイメージしますか?

オフィス全員がびしっと立って社長や上司が前に立って話すというイメージでしょうか?あるいは頭をシャキッとさせるためにラジオ体操もやってますかね。あるところは人前で話す訓練として3分間スピーチをローテーション制にしてちょっと緊張感がある中、担当の人が用意してきたメモを読み上げている感じでしょうか?

一方でスタンドアップミーティングはというと

輪になって全員立って、昨日達成したこと・今日やること・今障壁になっていることは何か(妨害事項)を全員が共有します。かなりカジュアルな感じで行われます。

「朝礼」と「スタンドアップミーティング」の違いとして

・双方的なコミュニケーションの場かどうか

・フォーマルかカジュアルか

・情報共有する目的をもってメンバーが参加しているか

・事前準備が必要かどうか

などといった面で違いがあると考えられます

どっちがいいかという話ではなくて、果たして「朝礼」と「スタンドアップミーティング」は同じものなのかどうかという話です。

先ほどの「1on1」「個人面談」でいえば、

「個人面談」と考えると、部下にとって面接を受けるような圧迫感を感じてしまうかもしれないし、上司による「個別指導」みたいなことになってしまったりと部下が腹を割って話すことが難しくなってしまいます。かといって「個人面談」の意味を再定義するっていうのもなかなか難しいと思います。

企業文化を変えていくには表現も工夫していく必要があります。言葉には「イデオロギー」が伴うのですから。

*イデオロギー:人間の行動を左右する根本的な物の考え方の体系。観念形態。(Wikipedia)

なのでアジャイルの手法でカタカナが多いのも説明がつくと思います。

日本語に訳して考えてしまうと従来の企業風土を変えることが難しいのではないかなと思います。

スタンドアップミーティング、バックログ、レトロスペクティブ、1on1 は「文化」でもあるのです。

ちょっと言語人類学的な感じになりましたが

横文字にするのにも理由があるのではないか」ということが今回伝えたかったことです。

まぁ、あくまで僕の考えですが。

僕的には、横文字は別物だと考えるくらいでもいいと思っています。

今日はこんな感じで。

それでは!

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